EDITOR’S REPORT

【インタビュー】どうなる外食産業のデジタルプロモーション 現場発想から生まれるアイディアが「愛され店舗」を産み出す FOODIT TOKYO 2018で登壇していただくYappli(ヤプリ)金子洋平氏に伺いました

FOODITは「外食の未来が生まれる場所を作ろう」という趣旨の元に立ち上がったカンファレンスです。昨年開催された「FOODIT TOKYO 2017」には約1,000人が来場し、”生産性”をテーマに多くの著名人による登壇セッションが行われました。第4回目となる今年も2018年9月13日(木)東京ミッドタウンホールでの開催が決定しています。詳しくは「FOODIT TOKYO 2018」公式ページをご確認ください。

さて、今回は「FOODIT TOKYO 2018」に登壇していただく、株式会社ヤプリさんをピックアップ。社内にエンジニアがいなくても、オリジナルのスマホアプリを立ち上げ、運用することができるサービスを手掛けていらっしゃいます。同社でエバンジェリストとして活躍されている金子洋平氏に、外食産業がデジタルを活用するためには、どんな「段取り」が必要で、どんな「成長プラン」が考え得るのかを語っていただきました。

「Yappli」を立ち上げた理由

金子氏(以下、敬称略):Yappliは「スマートフォンアプリの開発運用」に特化し、企業のモバイル戦略を裏側から支えるプラットフォーム事業を展開しています。アパレル業界やEコマース企業を中心に、商業施設、企業の新卒採用活動向けや社内ツールなど、これまでに国内で約250社以上の導入実績があります。一言でスマートフォンアプリといっても、ニーズや用途は実に様々で、導入される業種の幅も徐々に広がってきています。
今までは、アプリというのは大きい企業様がたくさんの開発コストをかけて作っていたのですが、Yappliでは短期間でコストを抑えてアプリを作ることができ、プログラミングの知識がなくてもパソコンさえ使えれば、使いたい機能の追加、デザインのカスタム、テキストの更新などの一連の作業を行うことができるクラウド型のサービスです。

ーサービス立ち上げの背景には、どんなストーリーがあったのでしょうか?

金子:弊社はもともと、Yahoo! JAPANに在籍していた3名のメンバーによって2013年に創業されたのですが、ちょうどその頃にスマートフォンやアプリが一般に普及し始めていて、クライアントからスマートフォンアプリ開発に関する相談や、お問い合わせがよく来るようになったんです。

どんなアプリにしたいのかヒアリングしてみると、電子カタログや動画を流したいなど、出てくる希望要件には、ある程度の共通項目があることに気付いたんですね。それであれば、基本的な機能を共通フォーマットに落とし込んで、ブログやWordPressのような「スマートフォンアプリのCMS(Contents Management System=コンテンツマネジメントシステム)」があったら便利なのではないかと思いついたのが、Yappliというサービスを立ち上げたキッカケになります。

ーオリジナルアプリ開発との大きな違いはどんなところでしょうか?

金子:例えば、建築家が手掛ける注文住宅ではなく、建売住宅のようにある程度フォーマットに沿った形でアプリをリリースできるのがYappliの特徴です。よく使われる機能に絞り込むことで、企業様には合わせていただくところもありますが、その分、短期間でコストを抑えた開発が可能になります。

安定した稼働システムやリモートでの運用サポート、導入事例から蓄積されたナレッジを提供することもできる。大きな予算、開発エンジニアなどの専任スタッフ、知識や見識がない、といった課題を解決するアプリプラットフォームサービスには、まだまだ潜在ニーズがあると感じています。

顧客との接点における「アプリ」の役割とは?

ー直近のアプリ開発では、どのような要望が多いですか?

金子:ここしばらくは顧客との関係づくりに関するご要望が多いですね。どんな業種の企業様でも、マーケットトレンドとなる施策への要望には、およそ共通項が出てくるので、必要不可欠な機能はYappli側でも常に最適化を図っています。

ー最近は様々な場所で「アプリをダウンロードしてください」という告知をみかけるようになりましたが、スマートフォンアプリの利用者層にも変化は感じられますか?

金子:このところ一気に顧客へのアプローチ手法が従来のメルマガやDMからアプリへと変わってきた感じはします。PCをメインに使っていたビジネス層や、スマートフォンに慣れてきたシニア層にも、徐々にアプリ利用が浸透していると実感しています。そこはLINE@さんが開拓の先陣を切っておられるとは思うのですが、企業の担当者さま自身の感覚としても「アプリかLINE@か」という感じで迷われることはあると思います。

LINEはご存知の通り、ほとんどの方が使ったことや見たことのあるサービスで、一斉に大量の情報を発信することが可能です。それに対し、単独アプリは少しの工夫で独自の世界観を持たせることができる。そこは一長一短あるところで、わざわざダウンロードしてもらう分、画面の向こうにいる顧客との親密度(エンゲージメント)が異なるんですよね。

これからは特に、どんなライフスタイルや価値観を持つ方に顧客になってもらうか、どういうアプローチをすればファンになってもらえるか、高単価の常連さんが生まれ、長く愛され続けてもらえるか。顧客との接点を通じて取得できる、あらゆるデータを元にした顧客生涯価値を見据えながらのデジタル活用が重要になってくると思いますね。

外食産業におけるアプリ活用の現状

ー外食産業とのお取り組みについてはいかがですか?

金子:外食産業全体で見ますと、大手企業様のスマートフォンアプリ活用は進んでいる方ではないかという印象があります。クーポン配布やポイントプログラム、店舗予約など企業さんによって特徴があり様々な使い方をされていらっしゃいます。現在、Yappliを導入いただいているのは、今回FOODITで一緒に登壇させていただくプロントさんや、銀座ライオンさんなど、中規模の店舗展開をされている企業様とのお取り組みが多いです。

ーまずはここから始める、といったアプリ導入における成功の秘訣はありますか?

金子:はじめからアレもコレもと手を広げずに、まずはプロモーションとして「使ってみる」という課題をクリアすることがシンプルでいいと思います。例えば、これまで紙で配っていたクーポンをアプリで配布する。そこからプッシュ通知で「もうすぐクーポンの期限が切れます」といった情報を発信してみる。スタンプカードをアプリにして、来店回数、購入金額に応じた「ポイントを還元」できるようにする。アプリが認知されてきたら、どんな機能が使われているのか、どのぐらいの頻度で使っているのかなどデータを見ながら新しい機能を追加するなど段階的に進化していくのが理想です。

プロモーションの次に、これは顧客との関係づくりに近いものになってくると思うのですが、アプリを通じて顧客の情報を取得したうえで、プッシュする情報も変えていくという取り組みへと、徐々に進化していっているのが先行事例の現状です。

ーアプリで取得したデータからの顧客との関係づくりとは、具体的にどのようなことが行えるのでしょうか?

金子:Yappliの場合、外部のサービスとの連携を行い、例えば顧客の誕生日であったり、設定しておいた来店回数や購入金額などを超えたお客様に、あらかじめ決めておいたメッセージやクーポンが配信できるといった機能が使えるようになっています。

他社で開発されたアプリであればもっと細かなものですと、どのエリアでどんな天気で、来店している状態かどうか、来店前にどんな検索をしているか、顧客に対してすごく細かいところまで分析されて、情報を出し分けている企業様もいらっしゃいます。

そこまで行動データを追跡されるのは気持ち悪いなんて意見も出ますが、適切なメッセージを発信するとともに、不要な情報を排除することも重要になってきています。結婚してるか、子供がいるか、常連さんか、ご新規さんか。属性が違えば興味のあることも異なります。当てはまらない情報を送り続けてしまうとお客様が離れてしまう原因になることもありますので、不要な情報は送らないということも必要になってきます。

Yappliが想う外食産業とテクノロジーの未来

ー外食産業とテクノロジーという大きな枠で見た場合、デジタル活用には今後どのような動きがありそうですか?

金子:外食産業の方が利用されるITサービスというと、例えば顧客台帳であったり、シフトや給与の管理、POSデータや売上の管理などの店舗運営側にも便利なものがいくつも出てきていますよね。これは世界的な流れでもあるんですが、それらのサービス同士が連携していくことによって、より効率よくデジタル活用を広げることができる。顧客に対しても店舗運営側にもメリットのあるいい関係を、アプリプラットフォームやクラウドサービスが担っていけたらいいですよね。

普段スマートフォンアプリやデジタルツールを使われている方が多いはずなので、顧客接点や業務効率化に使わない手はないと思うんです。我々も「使うとこんなにメリットがある」ということを、啓蒙していかなくてはいけないところかなと思っています。

ー最後に、FOODITに向けての意気込みを教えてください!

金子:僕が登壇するセッションには、Yappliを導入してくださっているプロントさんから、2名のゲストをお招きしています。アプリのフロント部分を担う企画担当と、利用状況を追いながら改善点を見つけるデータアナリストという、それぞれ違う視点で外食産業のアプリ活用にコミットしている方々です。

実際に導入するにあたってどういうところに苦悩したのか、予算はどうやって取ったのか、上司を口説くにはどういうポイントが有効だったのか、また、リリースしたアプリはお客様がどう使われているのかなど。きっと皆さんが知りたいのは、そういうぶっちゃけた現場話なのかなとは思うんですよね。やってみてどうだったのか、リアルなトークが引き出せるのではないかと。今回初めて参加させていただくということで、普段あまり接点のない新たな出会いもありそうですし、僕自身も楽しみにしています。
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Yappli公式HP https://yapp.li/

 

FOODIT TOKYO 2018の詳細はこちら

FOODIT TOKYO 2018
@ Tokyo Midtown Hall

開催日時:2018年9月13日(木) 11:50 - 19:00
場所:東京ミッドタウンホール

チケットはこちらから

FOODIT TOKYO 2018
@ Tokyo Midtown Hall

開催日時:2018年9月13日(木) 11:50 - 19:00
場所:東京ミッドタウンホール

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