EDITOR’S REPORT

「トレタ」の目指す、飲食店の生産性革命(その1)

トレタ社長が語る、外食産業の最大の課題
FOODITは「外食の未来が生まれる場所を作ろう」という趣旨ではじまったカンファレンスです。開催3回目となる「FOODIT TOKYO 2017」では約1,000人が来場し、外食産業のブラック化・人手不足など”生産性”をテーマに、著名人による多くのセッションが行われました。
第4回目となる今年は2018年9月13日(木)東京ミッドタウンホールにて開催いたします。
詳細はFOODIT TOKYO 2018ページをご覧ください。

スピーカー
中村 仁(株式会社トレタ 代表取締役)
・日時:2017年9月21日、FOODIT TOKYO 2017、A会場、15:00〜15:45


 

トレタは、飲食店向けの予約管理・顧客管理のツール「トレタ」を展開している会社です。
2013年の年末からはじまり、現在約3年半が経ちました。導入店舗数は8500店を超え、この手の飲食店向けサービスでは過去にない普及スピードだと中村氏は語ります。

トレタが行なった調査では、予約をシステム化している飲食店はサービス開始当初、ほとんどが紙で予約を管理していいました。これに対し、2017年のシード・プランニング社による調査では約35%が予約システムを導入していることが明らかになっています。
このうちの38%がトレタの導入店舗で、トレタは予約台帳システムでマーケットシェア1位を獲得しています。

「主に予約ニーズがあり、予約の管理が非常に過酷な店舗、具体的にはミシュランに選ばれている店舗や食べログでの口コミ上位店などの人気店、繁盛店などで使ってもらっています。今まで紙で管理していて、随時捨てられていたデータが、システム化により蓄積され、現在3000万件以上の予約データ、1億3000万の来店データが蓄積されています」

ー トレタ社長が語る、外食産業の最大の課題
「外食産業の課題は大きく2つあると考えています。人材が足りないこと、そして、ブラック化が問題視されていることです。これらは対症療法的に直接解決できない構造的な問題で、業態全体で生産性が極めて低いがゆえに、事業を成立させようとすると労働が過酷にならざるを得ない。つまり大量の人を雇い、長時間働かせざるを得ないということが現実です。これによって人材が流出し、人材が入ってこない、さらに生産性が低くなっていく。この構造を根本から変えるためには生産性の部分を変えるしかありません。ここを変えると稼げる仕事になり、優秀な人材も入ってきます。こういう循環をいかに作っていくかが重要です」

総務省のデータによると、飲食業は雇用吸収力があり、人材を雇う力があるが、ほとんど稼げていないという産業になっています。


(図:縦軸は雇用吸収力、横軸が稼ぐ力)

生産性を上げなければ外食産業の未来はないと中村氏は訴えました。

ー 予約データで見えてくる5つの店舗施策とは
「予約台帳ではとても重要な2つのデータを扱っています。1つは顧客管理、もう1つは空席管理です。我々は飲食店の経営に1番重要なのはこの2つだろうと考えています。POSデータも重要ですが、顧客データの方がはるかに重要です。予約台帳を活用すると次のことが可能になります」

1,需要予測・収益予測
ひとつが需要予測と収益予測です。店舗では発注をかける際に次の日の予約を見て、明日どれくらいのお客さまが来るのかを目安にします。予約データがあることで将来のデータが売上として入ってきます。

2,回転管理・配席管理
飲食店の売上は席数によって増減します。席数が売上の最大値を決めてしまいます。つまりできるだけ空席を作らない、うまく予約を回転させパズルのように予約を組み合わせることが重要です。これらは予約台帳上でやりくりできます。

3,仕事量予測
シフトを作るときに予約を参考にすると思います。例えば◯月◯日に貸し切りの予約が入りました。この日はスタッフを厚めにした方がいいなといった予測を立てます。つまり労働を最適化させるためには予約情報が鍵となります。

4,接客計画
1日の始まりにスタッフが集まりミーティングをすると思います。この際に見るのが予約台帳です。「今日は◯時から◯番のテーブルに来る人がいますのでこういう接客をお願いします」といった打ち合わせができます。

5,顧客ナレッジ
さらにお客さまと関係性を強くしたい時、顧客台帳が重要になります。お客さまを深く知るためのデータが貯まれば、お客さまの満足度を上げることができるということです。

「つまり予約管理・顧客管理は集客、仕入れ、人員計画、ファンづくりなどありとあらゆるところで使われる。顧客データ・空席データは飲食店経営の司令塔なのです」

ー 今までの予約管理
「今までこれらをどうしていたかというと、紙の予約台帳で管理していました。ここには宝の山のようなデータがたくさん詰まっているのに、捨てられていくということが起きていました。結果的に顧客管理、人員計画、仕入れ計画、集客管理がすべて「勘」を頼りに行われてきました。現場では予約を紙に書いたり、消したり、書き写したりなど非常にアナログな管理が行われ、手間がかかっていたのが現状です」

では、予約台帳をデジタルに置き換えることで、どのような効果があるのでしょうか。中村氏はいくつかのトレタ導入事例を紹介しました。

①24時間→10分、人件費15%減
「第1段階はアナログ作業のコスト削減です。ある大手寿司チェーン店では、以前まで旅行代理店からバスツアーなどで50人の予約を受けていました。この予約は店舗ではなく本部へと届いており、紙の予約管理では空席を確認するために本部が各店舗へ電話して空席を確認してから旅行代理店に報告するまで1日かかっていました。トレタでは最新の空席情報がクラウドにあり、本部でもすぐに分かるため、旅行代理店から受けた電話でそのまま切らずにその場で対応できるようになりました。

また、ある人気焼肉店では、予約の電話対応するために、レセプションとして予約の専任スタッフを設けていました。電話を受け、とっさに席の配置や混み具合を予測し、その電話で予約を確定させるにはある程度の経験や権限がなければ務まりません。それなりに人件費の高い人をレセプションにつかせていたわけです。しかしトレタを導入することによって、そういった業務がアルバイトでもできるようになりました。レセプションを常に配置する必要はなくなり、ホール6人であったところを5人で回せるようになり、15%の人件費削減につながりました」

②昨年比130%、不振店の売上が2倍に
「第2段階は機会損失の低減です。ワインバルA店では、トレタを導入して昨年対比130%となりました。とくに販促はかけていません。何が起きたかというと、今までの紙の受付では予約のパズルがうまく行かなかったわけです。これによって本来13組はいるはずなのに10組で満席だと思ってお客さまをお断りしてしまうということが日常茶飯事でした。これがトレタを使うことによって予約のパズルがうまくいき、うまく隙間がなくなるように予約の配置を変えていく。こういったことをやるだけで売上は3割伸びました。
また、あるカジュアル居酒屋チェーンでは、チェーン全体で機会損失を防ごうということで、予約を本部で受けるようにしました。何をしたかというとA店は繁盛しているが、B,C店が不振の場合、紙の予約だとA店が満席だと予約を断ってしまいます。それを本部が受けることによって「A店は満席なのですが、近くにあるB店でしたら予約を受け付けられますがいかがですか」といった対応ができ、他店に予約を流すということを本部で行い、不振店の売上は2倍となりました」

③リピーター獲得で月商2倍
「ワインバルBさまでは顧客管理を徹底したことによって坪月商が16万から33万の倍になりました。高級寿司店さまでは顧客管理に取り組み、月商700万から1,000万へと変貌しました。
システム化による人件費などのコスト削減や機会損失の減少により売上の向上などにより生産性が上がったことで、事例のような店舗に行くと店長さんに「店の売上が上がったことで僕の給料が上がりました。ありがとうございます」と言われます。本部の役員の方には車を買った方もいらっしゃいました。生産性が上がっていることで、飲食店経営が稼げる仕事になっているのです。いずれ優秀な人材の確保へとつながりサイクルが回っていきます」

ー トレタの目指す飲食店経営の未来
「現場では予約管理など煩雑な手作業を、効率化して楽にすることを行い、一方でトレタを使うことによって蓄積されたデータを活用して勘ではない意思決定、われわれはデータドリブン経営と言っていますが、データに基づいた経営ができるようになるわけです。
これら導入事例のような変化を一部で終わらせるのではなく、ありとあらゆる飲食店で起こしていこうというところを、われわれは目指しています」

 

FOODIT TOKYO 2018の詳細はこちら

FOODIT TOKYO 2018
@ Tokyo Midtown Hall

開催日時:2018年9月13日(木) 11:50 - 19:00
場所:東京ミッドタウンホール

チケットはこちらから

FOODIT TOKYO 2018
@ Tokyo Midtown Hall

開催日時:2018年9月13日(木) 11:50 - 19:00
場所:東京ミッドタウンホール

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