EDITOR’S REPORT

「トレタ」の目指す、飲食店の生産性革命(その2)

ー ビックデータから見る、リピーターに欠かせない来店間隔の重要性

FOODITは「外食の未来が生まれる場所を作ろう」という趣旨ではじまったカンファレンスです。開催3回目となる「FOODIT TOKYO 2017」では約1,000人が来場し、外食産業のブラック化・人手不足など”生産性”をテーマに、著名人による多くのセッションが行われました。
第4回目となる今年は2018年9月13日(木)東京ミッドタウンホールにて開催いたします。
詳細はFOODIT TOKYO 2018ページをご覧ください。

・スピーカー
中村 仁(株式会社トレタ代表取締役)
・日時:2017年9月21日、FOODIT TOKYO 2017、A会場、15:00〜15:45


 

ー どうやって繁盛店を作っていくのか

「トレタには膨大なデータが溜まっており、その中には多くの繁盛店や人気店のデータが入っています。そんなところのノウハウも集まってきており、これらを活用して解析をかけたところ、いろいろなことが分かってきましたので皆様にも紹介させていただきます。」

ここで匿名3店舗の売上、リピーター率のグラフが表示されました。
A店はお店自体が繁盛しておらず、グルメ媒体で新規顧客を集客しているが売上に伸び悩んでいます。
B店はトレタを導入してリピーターが増え、売上も伸びてきています。
C店はもともと繁盛店だったが、A,Bのお店と比べ遥かに予約の割合が50%と、ひときわ大きいのが特徴です。

「これらの膨大なデータから言えることは、”リピーターの比率と繁盛度は完全に相関関係にある”ということです」

ー 新規顧客が増える構造

「先ほどの飲食店の例をもう少し深掘りしましょう。この繁盛店化に成功したお店にヒアリングをしてみました。まずトレタの運用を始め、お客さまの情報をもっとトレタに入れていこうとしたそうです。つまり顧客情報の収集と入力です。これをやるだけで、リピーターが増えたそうです。

この施策で従業員の意識がお客さまに向いたんですね。以前に比べ、お客さまに関心が行くようになった。それだけでお客さまの満足度が上がり、リピーターが増えた。その繁盛店にお願いをして、どんな感じで売上が上がったのかというデータをもらいました。
そのデータからやはり、リピーターの増加と売上は同じように伸びていました。16万円だった月商が33万円となっています」

「基本的に新規顧客の数はあまり変わっていません。しかしリピーターがグラフの下の方に積まれていくことによって、結果的に売上が引き上がっていく事が起きています。
ところがなぜか飲食業界では、皆さん「リピーター増やそうぜ!」とはならない。どちらかといえば新規獲得に力を入れています。

リピーター獲得に至らないのはなぜだろうと思ったときに、おそらく2、3、4回目の来店をお店側が認識できていないと考えられます。お店に行くと初めてではないのに「こちらのお店は初めてですか?」と聞かれることがあると思います。新規ではないお客さまを新規としてみなしている。データ化が進んでいないと実際の結果と勘などの肌感のズレが起こってしまいます」

「これは、先ほどの繁盛化に成功した飲食店の、リピーター以外の新規顧客だけの推移です。これを見ると「あれ?そうはいっても新規増えてない?(笑)」となります。実際に売上と比べても新規の増加は近似関係にあります。ということは、このお店はリピーターが増えたとはいっても新規集客を頑張ったのではないかという仮設が立ちます。

しかし実際はその逆で、販促予算はむしろ減っていた。はじめた頃は月に10万円かけていた販促予算が、どんどん削られ現在では2,5万円まで減った。しかし依然として売上は伸びているんです(上図、赤線)。

つまりここからわかることはグルメ媒体にかける販促費用が必ずしも新規顧客獲得につながるわけではないということです。ではなぜ新規集客に成功したのか、それはリピーターが毎回、いろんな人を連れてきてくれたからです。その人たちを新規客としてお店は捕捉している。新規が増えるのも実はリピーターによるものだと分かります」

ー 何回来店すればリピーターになるか

「リピーターの行動にどういう傾向があるか、トレタの膨大な情報から、初回来店、2回目、3回目、4回目と来店回数で分け、それぞれの人たちがどれくらいの確率で再来店しているのかをグラフ化しました。

このグラフから、実は新規の方がどれくらいリピートしてくれるのかというと10%ほどしかいないことがわかります。100人を新規で集めても、2回目来てくれるのは10名だけというわけです。2回目来てくれた人の3人に1人はまた来店してくれる。3回目来た人は約半数がまた来店してくれる。つまり、来店回数が上がれば上がるほど常連レベルが上っていく。
このことから言えるのは、初回から3回目くらいまでの来店者をどう常連化させるかということが極めて重要だということです。逆に10回来てくれた方に何かあるといったクーポンではあまり意味がなく、それならば初回、2回目、3回目に何らかのインセンティブをつけたほうが良いということがわかります」

ー 2年後、はたしてどれくらいの人が来てくれるのか

「次に、新規の方を1,000人集客したとして、その人たちが2年後にどれくらい残っているかを調べてみたグラフを見てみましょう。
これを出した時われわれもびっくりしたんですが、1,000人集めても2年後には2人しか残ってないんですよ。ほとんどいなくなっている。3回目来てくれる人ですら34人まで減ります。なので早め早めに勝負を仕掛けなければならない。初回から3回目までの来店を捕捉し、それぞれの来店回数に応じた接客をすれば間違いなく常連は増えます。

しかし2回目、3回目までのお客さまが一番、お店側からしたら認識しづらいでんす。覚えていないため全部新規に見えてしまいます。なので新規中心だけに注力して、流出してしまう悪循環が起きてしまっている。

トレタを導入していただいている、姉妹店の2店舗を比べてみると全く違いました。A店は1,000人集めて最終的に2年後1人しか残りませんでした。一方B店では11人残っています。同じ接客、同じメニュー、同じポリシーでやっているはずなのにやはり店舗ごとで差が出るということです」

「A店は2回目の来店で129人再来店していて、トレタ全体のデータから見てもこの数字は優秀なんです。これは推測ですが、おそらくこの店舗はグルメ媒体などで良い新規集客を行えています。結果的に相性の良い新規顧客が来るため、2回目の来店者数も多いわけです。しかし店内でのオペレーションはそんなに重視していない。結果的に2回目に129人も来てくれたのにもかかわらず3回目以降どんどん流出してしまっています。

一方、B店では2回目来店100人です。これはトレタ全体の平均よりも低いです。ところがその後すごくよく人が残っている。結果的に2年後はA店の10倍以上のリピーターが残っています。ここから何が言えるかというと、B店はおそらくグルメ媒体での集客を頑張っていない。B店では店内でのオペレーションを磨くということをやり、2回目の来店はさほど多くないが、2回目以降来てくれた人の残存数が非常に良いということです。

全く同じ業態でやっているはずのA店、B店ですが、改善点が全く逆だということがわかります。A店の場合はお店のオペレーションの改善から顧客満足度の向上。一方B店では新規集客獲得のためにメディア活用の改善が必要だということです。このように、お店の実態をデータで捉えることによって、的確なお店の改善・施策が打てるというわけです」

ー ビックデータから見える、来店間隔の重要性

「常連になる方とそうでない方は明らかに来店間隔にも差があります。2、3回で終わってしまう方の来店間隔は20週ほど。けっこう間隔が空いていて、あまりいいお客さまにはならない傾向にあります。

4~9回来てくれる方は、11週〜15週。さらに10回以上来てくれる常連は6週に一度は来てくれる。来店間隔が短ければ短いほど常連顧客になりやすいということがわかります。つまり来店回数、とくに最初の初回〜3回目までというところも大事だが、どれくらいのペースで来てくれるかという来店間隔も大事。そこを見分けられるようになると、将来の上顧客を発見するということにつながります。

「この人はこのペースで来店しているから常連化しそうだぞ。5年間で10万円は使ってくれそうだ」といったことが見えてきます。こういったことを予想すると皆さんの集客の考え方、お金の掛け方が変わってくるのではないでしょうか。データを活用して自店のリピート力を効率的に磨くようにしていくことも重要です。

このためには、まずお客さまをきちんと認識する必要があります。この人は初回です、2回目です、3回目ですということをきちんと認識する。また、トレタ全体のデータを活かして他店や業態全体のトレンドや顧客行動を分析することで、自店の客層を評価することができます。これにより正しいお客さまに正しい投資を行うことができるわけです。

これらをわれわれは”常連革命”と呼んでいます。新規集客に過度に偏るのではなく、データを活用して効率的な常連施策を実現して、繁盛店へ成長していく。そこをお手伝いすることが今のトレタの取り組んでいる施策です」

 

FOODIT TOKYO 2018の詳細はこちら

FOODIT TOKYO 2018
@ Tokyo Midtown Hall

開催日時:2018年9月13日(木) 11:50 - 19:00
場所:東京ミッドタウンホール

チケットはこちらから

FOODIT TOKYO 2018
@ Tokyo Midtown Hall

開催日時:2018年9月13日(木) 11:50 - 19:00
場所:東京ミッドタウンホール

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