EDITOR’S REPORT

【FOODIT未来総研】ITでつながりを広げる次代のレストランが見せる外食の「希望ある未来」(その2)

ー 「ラーメン屋VSコンビニ!? 迫りくる中食への対抗策」

FOODITは「外食の未来が生まれる場所を作ろう」という趣旨ではじまったカンファレンスです。開催3回目となる「FOODIT TOKYO 2017」では約1,000人が来場し、外食産業のブラック化・人手不足など”生産性”をテーマに、著名人による多くのセッションが行われました。
第4回目となる今年は2018年9月13日(木)東京ミッドタウンホールにて開催いたします。
詳細はFOODIT TOKYO 2018ページをご覧ください。

スピーカー
・清宮 俊之(株式会社力の源ホールディングス 代表取締役社長 兼 COO)
・子安 大輔(株式会社カゲン 取締役)
・中村 仁(株式会社トレタ代表取締役)
・瀬川 憲一(株式会社トレタ 最高マーケティング責任者)

日時:2017年9月21日、FOODIT TOKYO 2017、A会場、17:00〜18:00


瀬川 ここからは登壇者のみなさんと、ざっくばらんに話し合いたいと思います。まず簡単な自己紹介と、ご自身が考えられている課題をお聞かせください。

清宮 こんにちは。清宮と申します。力の源ホールディングスという会社で「一風堂」を中心に外食サービスを日本、海外で展開させていただいております。

清宮 俊之 氏 ㈱力の源ホールディングス代表取締役社長 兼 COO
1974年生まれ。大学卒業後、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社に入社し、人事部長、執行役員、取締役などを歴任し、代官山プロジェクトのプロジェクトリーダーに至るまで15年間勤務。その後、力の源グループに入社。平成26年1月より㈱力の源ホールディングス代表取締役社長 兼 COOに。現在の展開店舗数は日本133店舗、海外65店舗。創業30年を経て、新たにグループ全体で“JAPANESE WONDER TO THE WORLD“という想いを掲げ、国内・海外で積極的に事業展開を行う。


 

清宮 会社の状況は、全体で見ると海外のほうのスピード感が年度ごとに高まってきていて、年間の出店数で見ても国内が15店舗くらいで、海外が25店舗。もう逆転しています。一方、国内のマーケットが伸びていないかというと、全然そんなことはなくて、十分世界の中でマーケットは恵まれていると思います。

改めて僕らのようなラーメン屋が10年後20年後にどういう価値を出していかなきゃいけないのかっていうことを慎重に考えつつ、いろんな取り組みをしていこうっていう段階になっています。飲食業界では中食と外食の融合が進んでいて、コンビニのラーメンのクオリティがあれだけ上がってきているので、ただ“食べる”という枠で見れば完全にボーダーレスな競争になってきているわけですから、われわれが市場の中でどういった価値を出せるのかっていうのは今後考えていきたいと思います。

ー ニッチ化、トレンド、追い続ける外食産業の課題

瀬川 ありがとうございます。清宮さんの会社はラーメン業態ですが、サービスの解体についてなにかイメージされる点はありますか。

清宮 ラーメンに限らず外食全体でそうですが、ニッチ化が本当に進んでいます。またトレンドも毎年変わっています。今は”辛い”のがすごい話題ですが、常にトレンドは変わりますし、価値の再整理と解体っていうのは今とても考えているところです。

子安 ちなみに美味しいラーメンをただ作っているというのは”まずいな”という認識ですか。

清宮 それはありますね。もともと僕らの企業理念の「変わらないために変わり続ける」っていうところをドカンと真ん中に置いているので、時代的にも常に変わり続けなきゃいけないっていうことは考えています。

中村 日清さんの“AFURI”のカップラーメン食べたときにびっくりしました(笑)。

清宮 いやー、あれは凄かったですね(笑)。

中村 このレベルのものが作れんのかっていう感じでした。味だけで見たらほんとその辺のラーメン屋より美味しいってくらい。そうすると美味しいものだけを求める人にとってはもはやカップラーメンとお店のラーメンっていうのは同列で比較されてしまうような時代になりつつありますよね。

清宮 それはありますね、日清さんの八王子の方にある研究所で新しい作品の試作品とかを食べさせてもらったことがあります。冷凍麺を中心に、ラーメンというより私はパスタを食べたんですけど、びっくりするくらい美味しくて、しかもそれを100円台で売れるところまで定価が下がっているので、あれがコンビニで流行り出すと本当に笑えないなって思いますね。

中村 メーカーとしてはやろうと思えばもっとできるんだけれども、ラーメンっていう中食と外食のトータルのマーケットとして自分たちのビジネスの最適なポジショニングを考えながらやっているという感じなのかも知れないですね。

清宮 そうですね。ただ最近スーパーやコンビニを見ていただければわかると思いますが、勝負に来ていると思います。製麺メーカーさんの品質の技術力は近年高まってきているので、本当にボーダーレスな、いい意味での戦いになってきています。

子安 コンビニのような低価格業態がライバルになるっていうことはけっこう飲食の皆さんは実感されていると思いますが、ラーメンもそういうところはあるんですね。

清宮 あります。僕は今福岡に住んでいますが、家の近くにあるコンビニがレイアウト変更して、店内の配列も変わって、レジ台数も増えて、ピークタイムの客数も増えて、イートインコーナーが広くなって、外国人ばかりですがお酒などを持っていてイートインコーナーでのスナック化が進んでいて、あれを見るとザワザワってなりますね。これが日本中に広まったら影響は少なからず出るなって思いますね。

ー 無人ラーメン屋さんはできるのか?

中村 一方で、ラーメン店自身が、徹底的に合理化をして無人化していこうみたいな取り組みもあるんですよね。

清宮 ありますね。僕ら一風堂は厨房も全部見せていますし、人っけのあるお店をやっていますが、真逆から考えることも大事なので、無人化っていうところも検討はしています。でも、報告で上がってきた無人化への投資金額を見るとびっくりするくらい高いです。お店の機械化が思うように進まないっていうのはそこにあって、はるかに予想を超えてくるので。

中村 まだそんなにするんですか。

清宮 しますね。機械化の大きな流れを作らないと難しいです。単体企業とのやり取りでは無理なので、ちょっと違う角度から検討していこうかなと思います。

ー 一風堂社長が語る海外でのブランディングとは

中村 今、一風堂のブランドとしてはどういう方向で考えているんですか。

清宮 海外がこの10年ではチャンスが多く、明らかにマーケットのポテンシャルが高いです。現在14カ国に出店していますが、今後出店20カ国目あたりを目処に、事業スピードを上げていくという流れでやっていこうと考えています。

国内については業態の整理ですね。ラーメン屋っていう定義自体がなんだっけというところから考えています。美味しい商品が出せるのは大事なのでそれはそれで考えつつ、空間やサービスで何を求められてるんだっけというところを整理して、出店のチャネルやお店のあり方を、まさにオリンピックに向けて整理していくっていう段階に来ています。

瀬川 ラーメン店で体験できることってなんなんだろうってことでいくと、日本と海外では手法は違いますか。

清宮 そうですね。実は海外ではラーメン屋っていうよりレストランスタイルでやっています。大きい店では100席ほどありますし、アルコールも出てアペタイザーも出て、シメにラーメンっていうスタイルもある程度定着しています。逆に日本にその手法を持ち込むっていうこともあり得ますし、その辺の価値の再定義っていうところをしているところです。

 

FOODIT TOKYO 2018の詳細はこちら

FOODIT TOKYO 2018
@ Tokyo Midtown Hall

開催日時:2018年9月13日(木) 11:50 - 19:00
場所:東京ミッドタウンホール

チケットはこちらから

FOODIT TOKYO 2018
@ Tokyo Midtown Hall

開催日時:2018年9月13日(木) 11:50 - 19:00
場所:東京ミッドタウンホール

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